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文責: 重城良国

マルチタスクとドキュメント

人間の脳は基本的にシングルタスクである。深部ではマルチタスクが採用されているが意識という側面においてはシングルタスクだ。マルチタスクを土台としながらもインターフェースとしてはシングルタスクということだ。

しかし、人間は年をとるにつれてマルチタスクへの対応が必要になる。ひとつのことに集中していれば良いという楽園はそう長くは続かない。家庭、仕事、その他もろもろの義務がふりかかってくる。人間の頭はシングルタスクであるのにマルチタスク対応を要求される。

マルチタスクをうまくやるためにはレジスタの内容の退避が重要となる。人間の脳には広大なレジスタがある。この内容を退避させたり復元したりするには多大な時間とエネルギーが必要だ。

ここでドキュメントが重要になってくる。人間の脳はハードディスクとレジスタに相当する記憶領域はあっても、その中間的なメモリに相当する領域がないようだ。つまりマルチタスク的なコンテキストの切り替えが起こるたびにレジスタの速度から見たら永遠とも思えるハードディスクの読み書きが必要になる。つまり、実行効率は壊滅的となる。「人間」は足りない機能を外部の装置で補完する。ここでメモリの代わりになるのが紙やその他電子的なドキュメントだ。脳のレジスタとハードディスクの中間的な役割を果たす。

割りこみが発生しない「楽園」での作業であれば中間データはすべてレジスタに保存しておくのが効率的だ。しかし、割りこみの可能性がある場合、中間データをメモリに相当する外部装置、つまり紙または電子的なドキュメントに保存しながら作業するのが効率的となる。

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